So-net無料ブログ作成
検索選択
前の20件 | -

The Hi Hat Quartet Live with Saigottimo [ライブ・レポート]

ff.jpg
 かなりアップロードをサボっていました。Jリーグが始まったり、私家版のCDを作成したりと結構忙しいです。特に土日は毎週出かけているという状態です。また気が向いたときにアップしますね。

 3月は春分の日の翌日、大分暖かくなってきた日に、恒例のHi Hat Quartetのライブが行われました。今日は、都内を中心に活躍中のヴォーカリストSaigottimoをゲストに迎えてのスペシャルセッションです。Yumilyさんは今日も左足を痛めてますね。あまりまともだったのを見たことがありません。それでも茅ヶ崎まで来て頂けるというのは頭が下がります。会場のHi Hatは常連さんが多いですが、お客さんはかなり入っていて、始まる前から熱気があふれています。
 1st Setは春らしく菊池康生作の"Spring Wind"でスタート。このバンドではおなじみの曲です。次は美枝子さんの唄で「ブルーレディに紅いバラ」。Andy Williamsの唄で有名なポップスですが、懐かしい曲ですね。クァルテッテによる"It Could Happen to You"を挟んで、いよいよSaigottimoの登場です。スタートは「月光値千金」。Nat King Coleが有名ですが、日本ではエノケンこと榎本健一が唄って大ヒットした曲。次はこれも懐かしい「林檎の樹の下で」。ディック・ミネの唄で有名ですが、両方とも戦前のヒット曲。Saigottimoの唄は豊かな声量をバックにじっくり聴かせるというよりも、おしゃべりを挟みながらテンポ良く小粋に唄うというヴォーカリスト。力が入っていなくていいですね。次の曲はMal Waldronの超有名曲"Left Alone"。McLeanばりのYumilyの泣きのアルトが美しい。またSaigottimoのヴォーカルに戻って、トム・ジョーンズの唄で大ヒットした「想い出のグリーングラス」。声量も要求されるし、曲としては難しい曲だと思いますが、歌詞の説明を交えながら、しっとりと唄ってます。1st Set最後の曲は「幸せの黄色いリボン」。アップテンポでリズミックに仕上げました。
 2nd Setは私がリクエストした"You and The Night and The Music"からスタート。私の誕生日だったため、無理してお願いしました。次はRollinsの有名なスタンダード、"Doxy"。このグループにぴったりのファンキーな曲。ここでSaigottimoの登場。今度のテーマは昨年13年ぶりに来日したTony Bennett。まずは初期のヒット"Because of You"。しっとりとした歌声で、心が癒やされます。続いて2011年にリリースされたアルバムDuet IIでもAlejandro Sanzとのデュオで唄っている""Yesterday I Heard The Rain"。作品は1967年作のボレロで、アップテンポで軽くこなすところが憎い。次はクァルテットでDuke Jordanの"Jeannine"。初めて聴く曲です。ジーナインと読むそうですが、渋い選曲です。Yumilyのタイトなアルトソロにつづいて、森岡さんの木訥としたピアノが続く。なかなか味のあるピアノです。森岡さんはいろいろなスタイルを簡単にこなすことが出来るピアニスト。本当にうまいです。ここでまたSaigottimoの唄に戻って「春の如く」。ピアノバックで歌詞の朗読から始まる、なかなか洒落た演出。クァルテットによるWoody Shawの"Sweet Love of Mine"を挟んで、最後はミュージカル"My Fair Lady"の挿入歌「君住む街角」。少しアップテンポな曲を情感たっぷりに唄う。アンコールはサッチモで有名な「この素晴らしき世界」。スローバラードをストレートにまた粋に唄う。声量で聴かせるよりもステージングで楽しませるエンターテイナーですね。
 今回は唄なしでピアノに徹した森岡さん、いつもきっちりとリズムを刻む石川さんとリーダーの上地さん、ありがとうございました。

Yumily (as), 森岡忍 (p), 石川康彦 (b), 上地尉之 (dr), 石川美枝子 (vcl**), Special Guest: Saigottimo (vcl*)
Live at The Hi Hat, Chigasaki, March 22, 2014
1st Set
1. Spring Wind (Kosei Kikuchi)
2. Red Roses for a Blue Lady** (Roy C. Bennett - Sid Tepper)
3. It Could Happen to You (Jimmy Van Heusen - Johnny Burke)
4. Get Out and Get Under The Moon* (Larry Shay - William Jerome/Charles Tobias)
5. In The Shade of The Old Apple Tree* (Harry Williams/Egbert Van Alstyne)
6. Left Alone (Mal Waldron - Billie Holiday)
7. The Green Green Grass of Home* (Claude ‘Curly’ Putman Jr.)
8. Tie a Yellow Ribbon Round The Old Oak Tree* (L. Russell Brown - Irwin Levine)

2nd Set
1. You and The Night and The Music (Arthur Schwartz - Howard Diets)
2. Doxy (Sonny Rollins)
3. Because of You* (Arthur Hammerstein/Dudley Wilkinson)
4. Yesterday I Heard The Rain* (Armando Manzanero - Gene Lees)
5. Jeannine (Duke Pearson)
6. It Might As Well Be Spring* (Richard Rodgers - Oscar Hammerstein II)
7. Sweet Love of Mine (Woody Shaw)
8. On The Street Where You Live* (Frederick Loewe - Alan Jay Lerner)
9. What a Wonderful World* (George Douglas - George David Weiss) -encore

大橋祐子ピアノソロライブ [ライブ・レポート]

f21.jpg
 高木信哉先生が解説するNHK文化センターのジャズ講座2カ所(青山教室と横浜ランドマーク教室)で、今売り出し中の大橋祐子さんがプレイヤーズ・ゲストとしてピアノソロを披露してくれました。昨年暮れに3枚目のアルバム"Two Chords"を寺島レコードからリリースしたばかりで、そのお披露目も兼ねていますね。幸いにして両方とも聞く機会があり、たっぷりと堪能してきました。
 1月12日の方は最新作"Two Chords"に収録した"Beautiful Love"から始めて、有名なスタンダード"My One and Only Love"まで6曲、2月のランドマーク教室では、Blue Mitchellの演奏で有名で、彼女の最新作にも収録している"I'll Close My Eyes"からメジャーなスタンダード"Autumn Leaves"まで6曲演奏しましたが、ダブりは1曲もなし。1月の青山教室の曲目を覚えていたんでしょうかね。彼女のピアノの特徴は、左手の打鍵が強く、非常に力強く聞こえること。しかしその音は女性らしい優しさに満ちあふれています。白眉はランドマーク教室での"Sol Cubano"。ラテンタッチの彼女のオリジナルで、2枚目のCD"Buenos Aires 1952"に収録されている曲です。かなりのアップテンポの曲ですが、非常に力強く、ハードに聞こえますが、メロディアスで圧倒的なテクニックに驚きます。
 彼女は都内を中心にして、いろいろなライブに出演していますので、是非行かれて生で聴いてご確認ください。絶対に損はさせません。リリースされている3枚のCDもお薦めです。最新作もいいですが、2作目の"Buenos Aires 1952"も格好いい。

大橋祐子 (piano solo)
Tune 1-6: Live at The NHK Culture Center Aoyama, Tokyo on January 12, 2014
Tune 7-12: Live at The NHK Culture Center Yokohama Landmark on February 23, 2014

1. Beautiful Love (Victor Young - Haven Gillespie)
2. Waltz (Yuko Ohashi)
3. Vagabonden Och Svan (Lars Dahlquist)
4. Two Chords (Piero Bassini)
5. Bye Bye Blackbird (Ray Henderson - Mort Dixon)
6. My One and Only Love (Guy Wood - Robert Mellin)
7. I'll Close My Eyes (Billy Reid - Buddy Kaye)
8. Cosmos (Yuko Ohashi)
9. Love Me Tender (Traditional - Elvis Presley/Vera Matson)
10. Prelude to a Kiss (Duke Ellington - Irving Gordon/Irving Mills)
11. Sol Cubano (Yuko Ohashi)
12. Autumn Leaves (Joseph Kosma - Jacques Prevert)


竹内亜里紗クァルテットライブ [ライブ・レポート]

face11.jpg
 最近投稿をサボっていて、本当に久しぶりに書きました。Facebookも始めたので、両方は難しいですね。  さて、先月に茅ヶ崎ハイハットで行われた竹内亜里紗4のライブレポートです。

 関東地方に2週連続で記録的な大雪が降ったあとの日曜日の夕方、まだ町中に雪が残っていて、雪かきをしている方も多かった日でした。そんな中で竹内亜里紗Quartetのライブが行われました。茅ヶ崎には久しぶりの登場です。まだ交通機関の運行が安定せず、若干遅れてのスタートになりましたが、スタートはノリノリのCharlie Parker作"Au Privave"。アップテンポのアルトソロにわくわくします。2曲目はThad Jones作の"Lady Luck"。この曲は綺麗なメロディを持ったミディアムテンポの曲。アルトの軽めのノリが心地よい。3曲目はバラード"If I Had You"。Nat King ColeやFrank Sinatraなどで知られる古いスタンダードです。竹内郁人さんの朗々としたアルトソロの後、訥々としているが味のある竹内亜里紗さんのピアノソロが続く。小林航太朗さんの泣きのベースは、東京TUCの田中支配人も絶賛しています。なんと、このライブの2日前に、川嶋哲郎グループで東京TUCに出演していました。あの大雪の日ですから、自宅に戻ったのが明け方になったそうです。
1st Set最後の曲はBud Powell作の"Una Noche con Francis"。Black Lionからリリースされた"Blues for Bouffemont"というアルバムに収録されており、このアルバムはBud Powellのフランスでの最後のスタジオ録音になります。フランスでBud Powellの面倒を見た良き理解者Francis Paudrasに捧げられた曲で、アップテンポのブルースナンバー。軽快なアルトとメリハリのあるドラムソロが聞きもの。宮岡さんのタイコは本当にうまいしこのユニットぴったりとマッチしています。
 2nd SetはおなじみのParker作の"Confirmation"からスタート。多分何百回も演奏している曲だと思いますが、実に手慣れたものです。軽く聞こえるが実は繊細なピアノソロとエンジン全開のベースソロがたまらない。2曲目はこのユニットではおなじみの"On a Misty Night"。あまりメジャーな曲ではありませんが、Tadd Dameron作の佳曲。しっとりとしたアルトとタイトなベースソロが素晴らしい。3曲目はMal Waldron作曲の"Soul Eyes"。Malと言えば、知名度では圧倒的に"Left Alone"が有名ですが、この曲も渋いスローバラード。竹内郁人さんの痺れるようなアルトソロが白眉。次の曲は"Dexterity"。あまり知られていませんが、Gershwinの"I Got Rhythm"のコード進行を使ったCharlie Parkerのオリジナル。アップテンポのバップ・チューン。小気味よいアルトソロが聴ける。最後の曲はBasieのアレンジャーとしても有名なNeal Heftiの"Repetition"。このユニットや澤田一範さんならではの曲で、ほかではほとんど聞いたことがありませんが、"Charlie Parker with Strings"に収録されている曲です。宮岡さんの変幻自在のドラミングが見事。2時間あまりのライブが無事終了しました。日頃からビバップに傾倒した活動を行っているだけ逢って、見事なステージでした。艶のあるアルト、小気味よいピアノ、聞くたびにうまくなるベース、メリハリの効いてドラム、十分堪能いたしました。ありがとうございました。次回のライブも楽しみにしています。

竹内郁人 (as), 竹内亜里紗 (p), 小林航太朗 (b), 宮岡慶太 (dr)
Recorded at The Hi Hat, Chigasaki on February 16, 2014
[1st Set]
1. Au Privave (Charlie Parker)
2. Lady Luck (Thad Jones)
3. If I Had You (Ted Shapiro - James Campbell/Reginald Connelly)
4. Una Noche con Francis (Bud Powell)

[2nd Set]
1. Confirmation (Charlie Parker)
2. On a Misty Night (Tadd Dameron)
3. Soul Eyes (Mal Waldron)
4. Dexterity (Charlie Parker)
5. Repetition (Neal Hefti)

高橋圭作-福井五十雄-守新治 ライブ [ライブ・レポート]

face01.jpg
 大分遅い投稿になりましたが、クリスマス前に茅ヶ崎ハイハットで繰り広げられた本 当にホットなライブのレポートです。
 一応リーダーは福井さんですが、3人それぞれがリーダーとしての資質があるプレー ヤーばかり。福井さんはもう何回もハイハットに登場している茅ヶ崎在住の一流プレー ヤー。山本剛、今田勝、市川秀男など一流のピアニストとの競演で知られています。近 年のDISK UNIONのTBM復刻リリースでも何枚にも参加しています。守新治さんは、長く 渡辺貞夫さんのユニットのドラマーを務め、最近では大橋祐子有する自己のトリオで活 躍中です。また大橋祐子名義の3枚のCDはすべて守新治さんのドラミング。高橋圭作 さんは、サンバやボサノヴァを中心にいろいろなライブで活躍中。Facebookをのぞいて みると、実に沢山のライブに顔を出しています。
 こんなプロ中のプロが3人集まって茅ヶ崎でライブを繰り広げるという夢のようなセ ッションです。スタートはクリスマスらしくドイツ民謡の「もみの木」。しっとりとし た高橋さんのピアノソロから入って、福井さんのゆったりとしたベースと守さんの繊細 なブラシが絡んできます。メキシコの名曲"Besame Mucho"を挟んで、Bill Evans の"Waltz for Debby"。原曲と比べるとかなり明るい感じの曲に仕上げています。スタ ンダードの"Body and Soul"のあとはJobimの"The Girl from Ipanema"。
 セカンドはやはりクリスマスソングでスタート。Lennon/McCartneyの"Michelle"をし っとりと仕上げた後、福井さんの好きなPat Methenyの"Farmer's Trust"。ゆったりと した牧歌的な曲。ここからボサノヴァが続きます。まずはJobimの有名な"So Danco Samba"。高橋さんの軽快なピアノが炸裂します。続いてEdu Loboの"Upa Neguinho"です が、なんと守さんがタイコを叩きながら唄うんです。唄うドラマーの本領発揮です。福 井さんの叙情的なベースリードで"The Christmas Song"を演奏した後はまたボサノヴァ 。"O Morro"は有名な曲ではありませんが、Jobimの書いた綺麗なメロディを持ったアッ プテンポの佳曲。高橋さんのピアノと守さんのタイコが炸裂します。正しくは"O Morro Nao Tem Vez"。続いて福井さんのアルコで"Amazing Grace"。福井さんの親友でもあり 、去る10月に逝去されたベーシスト岡田勉さん追悼の曲。峰厚介、山本剛、増尾好秋 などとの共演作がある。エンディングはやはりクリスマスソング。4ビートで軽快の締 めました。
 当日のハイハットは12-3人とまずまずの入り。高橋さんはやはりボサノヴァで本 領を発揮します。リズム、華麗さ、綺麗なメロディラインとオーディエンスを楽しくし てくれます。守さんのタイコはトリオや周りを盛り上げてくれます。グループを鼓舞す る、またオーディエンスにもっと楽しむようにとメーセージを出し続けます。福井さん のベースは優しさと思いやりに満ちたベースです。聴いているとなんかほっとします。
素晴らしいコラボをありがとうございました。

高橋圭作 (p, perc), 福井五十雄 (b), 守新治 (dr, vcl*)
Live at The Hi Hat, Chigasaki on December 21, 2013

[1st]
1. O Tannenbaum (Traditional - Ernst Anschutz)
2. Besame Mucho (Consuelo Velazquez)
3. Waltz for Debby (Bill Evans)
4. Body and Soul (Johnny Green - Edward Heyman/Robert Sour/Frank Eyton)
5. The Girl from Ipanema (Antonio Carlos Jobim - Vinicius de Moraes)

[2nd]
1. Santa Claus Is Coming to Town (Fred Coots - Haven Gillespie)
2. Michelle (John Lennon/Paul McCartney)
3. Farmer's Trust (Pat Metheny)
4. So Danco Samba (Antonio Carlos Jobim - Vinicius de Moraes)
5. Upa Neguinho* (Edu Lobo - Gianfrancesco Guarnieri)
6. The Christmas Song (Bob Wells/Mel Torme)
7. O Morro (Antonio Carlos Jobim - Vinicius de Moraes)
8. Amazing Grace (Traditinal - John Newton)
9. Winter Wonderland (Felix Bernard - Richard Smith)

杉山泰史トリオ・アット・茅ヶ崎市立図書館 [ライブ・レポート]

live02.jpg
 15日の日曜日に、茅ヶ崎市と岡崎市のゆかりのまち提携30周年記念事業として、「音でたどるジャズ入門講座」が茅ヶ崎市立図書館で行われました。
 当日のプログラムは、第一部は「音でたどるジャズ入門講座」の講演で、講師は茅ヶ崎ジャズクラブ会長の瀬下洪基氏。第二部は生演奏で、出演は杉山泰史トリオです。スタートは午後2時からでしたが、生演奏を録音する都合もあり、11時過ぎに会場に到着し、録音機材やら、PAのセッティングを行っていたら、12時過ぎに杉山さんが到着、ベースの秋吉君が体調が悪く、病院で点滴を受けいてる状態ということで、最悪ギターと タイコのデュオも覚悟しましたが、少し遅れて秋吉君が到着したので一安心。しかし、かなり体調が悪そうです。何とかリハーサルをこなしたものの、昼食の弁当には箸をつけずじまい。ベースアンプもなかったのですが、客席から聴く音のバランスはまずまず 。秋吉君には演奏が始まるまで控え室で休憩してもらって、第一部がスタート。会場に は前もって予約された60人くらいの人で埋まっています。結構盛況です。茅ヶ崎ジャズ クラブ会長の瀬下さんの案内で、約1時間半くらいの時間を使って、ディキシーから新 伝承派まで、かなりの駆け足で紹介し、代表的な演奏を聴きました。瀬下さんお疲れ様 でした。
 第二部は杉山泰史トリオの生演奏です。茅ヶ崎市立図書館で生演奏のイベントを行う のは初めてということですが、天井も高く、音響的にも非常にいいスペースです。杉山 さんのギターは、もう何回も聞いていますが、いつ聴いても素晴らしいソロに酔いしれ ます。今日はジャズを聴く人が初めてという方が多いため、すべてスタンダードです。 トリオにしても、いつも演奏している曲ばかり。湘南のボスギター宇山恭平氏にちなん だ曲もあった方がいいかなと思いましたが、最後までスタンダードで通してしまいまし た。まあ、それはそれでいいんですが...。
 しかし、杉山さんのギターはよくスイングして、気持ちいいですね。秋吉君も、体調 が良くない中で、よく最後まで頑張ってくれました。ありがとうございました。

杉山泰史トリオ
杉山泰史 (g), 秋吉秀信 (b), 上地尉之 (dr)
Live at 茅ヶ崎市立図書館第一会議室 on December 15, 2013

1. There Will Never Be Another You (Harry Warren - Mack Gordon)
2. Wave (Antonio Carlos Jobim)
3. Fly Me to The Moon (Bart Howard)
4. Over The Rainbow (Harold Arlen - Yip Harburg)
5. Someday My Prince Will Come (Frank Churchill - Larry Morey)
6. The Shadow of Your Smile (Johnny Mandel - Paul Francis Webster)
7. You'd Be So Nice to Come Home to (Cole Porter)

ウエムラケイ Live at NHK文化センター青山教室 [ライブ・レポート]

P1000402.jpg
 この前の日曜日は、高木信哉先生の「東京JAZZ」講座の日でした。テーマはヴォーカル特集。ヒットチャート上位のアルバムや、ボサノヴァの名曲「イパネマの娘」の聞き比べなど、いろいろな曲を聴きました。初めて聴くものも多く、非常に勉強になります。講座は半年単位ですが、途中からの参加もOKです。申し込みはこちらまで。

 さて、本日のプレイヤーズゲストは、ボサノヴァを中心にして、いろいろなジャンルの唄とギターを聴かせてくれるウエムラケイさんです。「東京JAZZ」講座にも1昨年に来て頂いたことがあります。一時期体調を崩して、しばらく活動を停止していましたが、この夏頃から活動を再開し、青山教室に久しぶりに来て頂きました。
 彼女の唄の特徴は、余分な色づけをせずにストレートに唄うところ。声に透明感があって、余計なヴィブラートもほとんどない。聴く方がリラックスできる癒やしの歌手です。選曲はかなりマニアック。彼女からするとごく普通の選曲かも知れません。私もボサノヴァを本当に聞き込んでいるわけではないので、元々知っていた曲はロマンスカーのCMソングを除けば3曲のみ。「小舟」はなんか聴いたことがある曲でしたが、「許してあげよう」は全く初めての曲。しかし、彼女のしっとりとした歌い方のおかげで、優しい癒やしの唄になりました。現在は都内のライブハウスで活動中ですので、是非行ってみて、聴いてください。本当にほっこりできますよ。
 当日はご本人の許可を得て、録音しました。人の声と生ギターのみという非常にシンプルな構成で、私もソロというのは初めての経験でしたが、シンプルなだけにごまかしが効かなくて、マスタリングに苦労しています。今月の22日には横浜のランドマーク教室で行っている、「横浜JAZZ」講座にも来て頂く予定で、併せて1枚のCDにしようと思っています。もちろんプライベート録音なので、市販する予定はありません。あしからず。
 奇しくもボサノヴァの父であるJobimの命日に当たり、スタートとエンディングはJobimの曲でまとめました。もう亡くなって19年にもなるんですね。偉大なソングライターに合掌。ウエムラケイさん、素敵な歌声をありがとうございました。

ウエムラケイ (vcl, g)
Live at The NHK文化センター青山教室 on December 8, 2013

1. Ela e Carioca (Antonio Carlos Jobim - Vinicius de Moraes) 邦題:彼女はカリオカ
2. O Barquinho (Hoberto Menescal - Ronaldo Boscoli) 邦題:小舟
3. Doralice (Dorival Caymmi) 邦題:ドラリセ
4. E Preciso Perdoar (Joao Gilberto) 邦題:許してあげよう
5. Berimbau (Baden Powell - Vinicius de Moraes) 邦題:ビリンバウ
6. ロマンスをもう一度 (葛谷葉子 - 上野泰明)
7. Samba De Uma Nota So (Antonio Carlos Jobim - Newton Mendonca) 邦題:ワン・ノート・サンバ

Sidsel Storm: Swedish Lullaby (Callibrated CAL 1106) [CDレヴュー]

sidsel.jpg
 またヴォーカルものです。取り出したのはデンマークの歌姫ジゼル・ストームの2作目のアルバム。ジゼルのアルバムは初めて買ったのですが、期待に違わず、ジャケ写真の雰囲気をそのまま歌にしたような、綺麗な歌声です。もっとも、私としてはあまり予備知識がないまま、ジャケットに惹かれてというのが本音です。しかし、「大正解」でした。
 ネットで調べましたが、年齢とか経歴とかは全く判りませんでしたが、Facebookを見る限りは、デンマーク中心にライブ活動を続けているようです。髪の色も、このアルバムは黒髪ですが、Facebookでは金髪になっています。どっちが本当かもよく判りません。
 アルバムを聴いていきましょう。Sinatraが唄っていた"All or Nothing at All"とBill Evansで有名な"Emily"以外は知らない曲ばかり。その中で気に入ったのは、ジゼルがしっとりと歌い上げるタイトルチューン"Swedish Lullaby"。なんか牧歌的な雰囲気で、透明な歌声に惹かれます。ラース・ヤンソンのころころと玉を転がすようなピアノソロも魅力。"Within a Lifetime"は冒頭のヤンソンの叙情的に導入部に続いて、ジゼルのヴィブラートの少ない澄んだ声が続きます。いかにも北欧の牧歌的な風景が浮かんでくる。Gunnar Halleのトランペットが優しく包むバラード"Don't Turn The Lights Out"も癒やされる1曲。"Secret Game"はフュージョン・タッチの数少ないアップテンポの曲。ヤンソンはエレピを弾いています。
 初めて聞く曲が大半ではありましたが、バラードが多く、全体を支配するのは、こちらを優しく包み込んでくれる癒やしの音楽。ジゼルの歌も素晴らしいですが、ヤンソンのピアノも聞き所十分。私の好みの白人のFemale Singerでした。

Sidsel Storm (vcl), Lars Jansson (p), Morten Lund (b), Jesper Thorn (dr) Guest: Gunnar Halle (tp), Alexander Kraglund (vln, harmonica), Carl-Oscar Osterlind (cello), Peter Otto (org)
Recorded 2010
1. Swedish Lullaby
2. The Day He Returned
3. Within a Lifetime
4. All or Nothing at All
5. Stolen Years
6. Hazy Mind
7. Emily
8. Don't Turn The Lights Out
9. Secret Game
10. Playing My Heart



Madeline Eastman: Point of Departure (Mad-Kat MKCD 1002) [CDレヴュー]

madeline.jpg
 最近ヤフオクで手に入れたヴォーカルCDをご紹介します。ジャケが良かったので、全く予備知識なしに入札し、余り人気がなかったのか、そのまま落札できました。
 聴いてみると、声に透明感があって、よくスイングする。スローバラードはしっとり聴かせる。しかし、昨年出版されたジャズ批評「いま旬の歌姫たち」にも掲載されていない。日本では全く無名な歌手なのかなぁ。その割りには、輸入盤のくせに日本語の帯がついており、Bethlehemレーベルの1,000円盤をリリースしているウルトラヴァイヴの名前が。要するに輸入盤に日本語解説をつけて、国内盤の番号を付与して発売しているというもの。しかし、その帯と来たら、背の部分はMedeline Eastmanとなっているが、解説部分は全く別の歌手のものになっている。トリッシュ・ハットレイって誰なの? しゃんと作れよ、笑われるよ。
img122.jpg まあ、余り気にせず聴きましょう。このアルバムがデビューアルバムのようです。ネットで調べると、1954年7月サンフランシスコ生まれの59才。結構なベテランですね。高校生の時に「ビリーホリデイ物語」を見て触発され、サンフランシスコ州立大学の音楽科に入学している。1972年制作のダイアナ・ロスが主演したあの映画です。
 いままで7枚のアルバムをリリースしていますが、すべてMad-Katレーベル。このレーベルは彼女と、同じく歌手のKitty Margolisが設立したレーベルで、いわゆるプライベート・レーベル。共同経営者の方はしっかりと「いま旬の歌姫たち」に掲載されていました。
 初っぱなはイヴァン・リンスの"Kisses"。ゆったりとした出だしから、しっとりとしたMadelineの歌が始まる。声に艶があり、パンチも効いている。Tom Harrellのtpも優しく盛り上げる。非常に聴きやすい響き。しかし、Joe Henderson作の"Inner Urge"やBobby Hutcherson作の"Little B's Poem"にはびっくりしました。普通こういう曲を歌おうという気にならないと思います。また、当然歌詞がないはずですが、自身でつけたようですね。さて、このアルバムの最大の聞きものは、1987年の映画「バグダッド・カフェ」のテーマ曲"Calling You"。ピアノだけをバックに唄う非常に透明感のある歌声が堪えられません。この曲だけでもこのアルバムを買う価値がありました。1990年の録音で、彼女が35-6歳くらいの時。その後の変化も楽しみです。
 日本ではほとんど無名に近い歌手ですが、こんな素晴らしい歌い手がいるなんて、世界は広い。ほかのアルバムも聴きたくなりました。

Madeline Eastman (vcl), Tom Harrell (tp), Mike Wofford, Paul Potyen (p), Rufus Reid (b), Vince Lateano (dr)
Recorded at Mobius Records, San Francisco, 1990
1. Kisses
2. Wild Is The Wind
3. You Are My Sunshine
4. Little Boat
5. Inner Urge
6. Nobody Else But Me
7. No More
8. Little B's Poem
9. The Island
10. I Only Have Eyes for You
11. Calling You



外山安樹子 Live at The HAMA-JAZZ [ライブ・レポート]

nobodygoesaway.jpg
 先週の日曜日は10月から始まった、横浜ジャズ講座の2回目の例会でした。NHK文化センター青山教室で6年間続いている東京ジャズ講座の横浜版。ランドマークプラザの5階で、毎月第4日曜日の午後1時から始まります。もう2回目が終わりましたが、途中からでももちろん参加OKです。申し込みはこちらから。
 今日のテーマは「Keith Jarrettの8枚」。評論家の高木先生が選んだ代表作からセレクトした曲を聴きました。選ばれた代表作は"The Koln Concert", "Somewhere Before","Facing You", "Standards, Vol.1", "My Song", "Still Live", "My Foolish Heart", "The Melody at Night, with You"の8枚。この中から有名な"koln Part 1"や"Country"、"Meaning of The Blues"などの佳曲を、Keithの歴史やエピソードなどを交えながら、判りやすく鑑賞。ジャズが初めてという方も多く、すぐには飛び込めないと思いますが、少しずつジャズのすばらしさに触れることができると思います。
 本日のプレイヤーズゲストは、今月、2年ぶりに新作をリリースした外山安樹子さん。Keithの特集とあって、Keithが弾いた曲と、彼女の新作から選んで弾いて頂きました。"Stella by Starlight"は"Standards Live"、"I Wish I Knew"は""Standards (DVD)"、"Country"は"My Song"、"Wrap Your Troubles in Deams"は"Whisper Not"に収録されています。残りの2曲は外山さんのオリジナル。外山さんのピアノロマンティックで、かつやさしい音色。"I Wish I Knew"ではダイナミックなソロも聴かせてもらいました。新作CD"Nobody Goes Away"も会場で購入し、聴かせてもらいましたが、優しさにあふれる内容。会場でも弾いた"誰もいなくならない"は平井堅の歌で有名な"大きな古時計"に似た雰囲気で、しっとりとした曲。なかなかいいアルバムに仕上がっています。現在アルバム・リリース・ツアーを敢行中とのこと。お近くに来たときには是非聴いてみてください。

外山安樹子 (p)
Live at The NHK Bunka Center Yokohama on November 24, 2013
1. Stella by Starlight (Victor Young - Ned Washington)
2. One Year of Poplars (Akiko Toyama)
3. I Wish I Knew (Harry Warren - Mac Gordon)
4. Country (Keith Jarrett)
5. 誰もいなくならない (Akiko Toyama)
6. Wrap Your Troubles in Dreams (Harry Barris - Ted Koehler/Billy Moll)



James. K Live at Chigasaki [ライブ・レポート]

hihat20131116.jpg
 11月の土曜日の夕方、前日まではかなり寒かったのですが、当日は少し寒気が緩み、すがすがしい秋晴れになりました。
 James.Kさんは9月に続いて、今年3回目のハイハット登場です。また、今日はバックがすごいことになっています。ジョージ大塚、日野皓正、ジョージ川口などのバンドで名をはせ、現在も自己のトリオでも活躍中のJazz界の重鎮、市川秀男さんと山本剛トリオのレギュラー・ベーシスト、香川裕史さんです。タイコはいつものようにハイハット・マスターの上地さん。ここにゲストの山本由美子さんが参加しています。
 ライブは、1st、2ndともスタートとエンディングを市川秀男トリオ、真ん中をお二人のヴォーカルという形式で進めました。James.Kさんはご存じのように、2009年の第29回浅草ジャズコンテストのヴォーカル部門グランプリを受賞し、その後ライブハウス、ホールなどで活動中。圧倒的な声量と重厚な歌声を持つ日本でも希なヴォーカリスト。録音してしても、MTRの録音レベルがクリップしないかと心配になるほど。今日もジャズだけでなく、ポップス、ハワイアン、カントリーなど、幅広いレパートリーを披露してくれました。しかし、本当は小さいライブハウスより、ホテルやホールといった中規模もしくは大規模なところの方がその実力を発揮できるように思います。神戸出身の山本由美子さんは2曲だけでしたが、ジャズのスタンダードを軽く、かわいい歌声で唄って頂きました。
 その中でも市川さんの名人芸には脱帽です。圧倒的なテクニシャンでもなく、軽く弾いているように見えるんですが、味があるというか、存在感というか、すっと引き込まれるようなピアノ。香川さんのベースは、テクニックは当たり前ですが、ピアノとタイコとの連携を重視して、バランスの良い弾き方。非常にうまい。
 当日は、市川さんのかつての盟友、ベースの福井五十雄さんも聴きに来られていて、市川さんとじっくりと話をされていました。バックバンドが素晴らしいと、ヴォーカルも力を発揮できるという良い相乗効果が確認できたライブでした。

James. K (vcl), 市川秀男 (p), 香川裕士 (b), 上地尉之 (dr)
Guest Vocalist: 山本由美子*
Recorded Live at The Hi Hat, Chigasaki on November 16, 2013

[1st Set]
1. Sho' Nuff Blues (Hideo Ichikawa) -Piano Trio
2. The Second Time Around (Jimmy Van Heusen - Sammy Cahn)
3. Black Orpheus (Luiz Bonfa - Ruth Batchelor)
4. Pennies from Heaven (Arthur Johnston - Johnny Burke)
5. Just in Time* (Jule Styne - Betty Comden/Adolf Green)
6. Johnny Guitar (Victor Young - Peggy Lee)
7. Anytime (Herbert "Happy" Lawson)
8. 心の炎を燃やしただけで (筒美京平 - なぎはるお)
9. Desert Wind (Hideo Ichikawa) -Piano Trio

[2nd Set]
1. Milky Way (Hideo Ichikawa) -Piano Trio
2. Lovers & Fools また逢う日まで (筒美京平 - 阿久悠、英語詞:Norman Simon)
3. Hawaiian Wedding Song (Charles E. King)
4. Night and Day (Cole Porter)
5. You and The Night and The Music* (Arthur Schwartz - Howard Diets)
6. I Left My Heart in San Francisco (George Cory - Douglass Cross)
7. From Russia with Love (Lionel Bart)
8. Love is a Many Splendered Thing (Sammy Fain - Paul Frances Webster)
9. Lady T (Hideo Ichikawa) -Piano Trio

纐纈歩美/Brooklyn Purple (M&I MYCJ-30640) [CDレヴュー]

KO.jpg
 リリースされたばかりの纐纈歩美の4枚目のアルバム。ちょうどJazz Japanの最新号に、今年9月の東京JAZZに出演したLee Konitzとの対談記事が掲載されている。併せてご覧ください。
 前3作を持っていないので、全くの予備知識なしで聴くことになりました。解説によると、今回初めてソプラノを持ったということですが、纐纈のソプラノの音は非常にやさしい音色。アルトはLee Konitzを信奉しているように、やや高めの音で、かつヴィブラートの少ない私好みの音。アルトの高音部分とソプラノの低音部分区別が付きにくい。そういえば、トリスターノ・スクールのサックス奏者は、もともと音色が似ています。Lee KonitzとWarne Marshも、アルトとテナーの違いがあるが、それでもわかりにくかった。
 さてアルバムに戻りましょう。纐纈のオリジナル"Sign of Autumn"からスタート。やさしそうなタイトルとは無縁のミディアムテンポのファンキーなハードバップ。Hazeltineの小気味よいソロとテンポの良いJonesのドラムが聞き物。"As What You Are"はHazeltineのやさしいソロから始まり、ベースとドラムが絡んでいく。アルトが奏でるメロディが美しい。Jonesのマレットとブラシが更にやさしく包み込む。アルトソロに続くピアノがリズミカルで暖かい。このアルバムの中では後述の"Calling You"と並んで最も好きな曲。"Freight Trane"はFlanagan作の佳曲。"Kenny Burrell & John Coltrane"(Prestige)に収録されています。アップテンポのメロディの後のアルトソロが伸びやかで、心地よい。続くHazeltineのソロも良くスイングしている。"It's Easy to Remember"はRodgers-Hart作のラヴ・ソング。1935年のパラマウント映画"Mississippi"の挿入歌で、Bing Crosbyが唄ってヒットしました。Coltraneの"Ballads"(Impulse)にも入っていますね。スローなテンポで朗々とアルトソロを聴かせる。泣きのアルトですね。ここから3曲、纐纈のオリジナルが続きます。"Baily's Beach"は出だしのソプラノのメロディラインが非常に綺麗で、ついうっとりしてしまうほどの音色。Hazeltineの絡みも堪えられません。"Calling You"は1987年の映画"Bagdad Cafe"の挿入歌。Holly Coleを始め、いろいろなミュージシャンがカバーしている超スローなバラード。それだけにミュージシャンの技量が問われる曲。纐纈のハイノートのソプラノがやさしく包む。余計な装飾をせず、音符の数を減らして間を生かす空気感が素晴らしい。Wallerの名曲"Jitterbug Waltz"を挟んで締めはおなじみの"In a Mellow Tone"。
 全10曲中、5曲が纐纈のオリジナル。しかしどの曲もメロディが美しく、メロディ重視の筆者としては非常に満足。前3枚のアルバムも購入したくなりました。女性のアルト奏者というと、どちらかというと実力より見た目重視かなと思っていましたが、見事に裏切られました。お薦め。

纐纈歩美 (as, ss), David Hazeltine (p), David Williams (b), Willie Jones III (dr)
Recorded at System Two, Brooklyn, NYC, June 20 - 21, 2013
1. Sign of Autumn (Ayumi Koketsu)
2. As What You Are (Ayumi Koketsu)
3. Freight Trane (Tommy Flanagan)
4. It's Easy to Remember (Richard Rodgers - Lorenz Hart)
5. Chase (Ayumi Koketsu)
6. How Is The Weather* (Ayumi Koketsu)
7. Baily's Beach* (Ayumi Koketsu)
8. Calling You* (Robert Telson)
9. Jitterbug Waltz (Fats Waller)
10. In a Mellow Tone (Duke Ellington - Milt Gabler)



佐津間純トリオ Live at The Husky's Gallery [ライブ・レポート]

2013-10-23 17.11.14.jpg
 台風がまた接近していますね。今日のライブも大雨の日になるかなと思っていましたが、台風のスピードが遅く、曇ってはいますが何とか天気は持ちました。しかし、終わった後、帰りの車には小さな雨粒が降り注いでいました。
 今日の出し物は、一応佐津間純トリオとはなっていますが、実質的にはピアノのDavid Arthur Skinner Trioです。ノルウェー出身で、ハスキーズの後は石和と八ヶ岳でのライブの後帰国するそうです。長身の2枚目ピアニストで、風貌は少しBenny Greenに似てますね。ピアノのスタイルはどちらかというとスイング系で、楽しく明るい印象。時折Fats Wallerのようなストライドの雰囲気も見せる。ピアノのすぐ横で聴いていましたが、かなりのテクニシャンです。とにかく手数が多い。少しの間も音符で埋め尽くすという感じ。ピーターソン顔負けですね。周りを和ませるような茶目っ気もありますが、しっとりとした曲も十分こなせるバーサタイルなピアニストです。
 1stセットの出だしは、Davidのピアノソロメドレー。"Stardust"を皮切りに、"Makin' Whoopee"、"Tea for Two"、"Moonlight in Vermont"と最新作に収録されている4曲をメドレーで演奏。2曲目からはギターとベースが入ってトリオ編成。ピーターソンの初期トリオと同じ編成。最初はBillie Holidayの"Don't Explain"。結構渋い選曲です。次は本日唯一のSkinnerのオリジナル"Ert"。「ウーチ」という風に聞こえました。意味は解りませんが、綺麗なメロディの曲です。ノルウェー語かも知れません。ギター・リードの"Imagination"を挟んでMonkの"Straight No Chaser"で締め。
diagonaljazz.jpg 2ndセットは最初にSkinnerの奥様が登場し、ピアノに合わせてタップダンスを披露。下手なのかうまいのかはよく判りませんが、リズムには乗っていました。続いてピアノソロ2曲。今回持ってきているCDに収録されている曲です。その後3人がそろって"I Should Care"から始まり。やっぱりSkinnerのピアノは賑やかで、聴いていても楽しくなる。若林のベースはステディで、バックでリズムに徹しているかと思えば、ソロでは大音量で弾きまくる。女性のベーシストは元々珍しいのですが、ここまで弾きまくるのはもっと珍しい。周りを明るくしますね。肝心の佐津間さんのギターは、岡安さんのお弟子さんだけあって、ギターもGibsonだし、Super-400かどうかは判りませんが、綺麗なメープルのギターで、音色もやさしい。リズムに徹しているときはFreddie Greenみたいに全く目立ちませんが、ソロになるとそのやさしい音で癒やされます。見た目もまじめなサラリーマンという印象。今度初リーダーアルバムをリリースするそうです。アンコールはEllingtonの"Don't Get Around Much Anymore"。楽しいライブでした。
 Skinnerが持ってきたCDはレーベルも番号もないプライベート・リリース。日本では市販されていないので、ライブでの手売りでしか手に入りません。是非ライブに行ってみてください。期待は裏切りません。

David Arthur Skinner (p), 佐津間純 (g), 若林美佐 (b), Lucy Skinner*(tap)
Live at The Husky's Gallery, Chigasaki, October 23, 2013
[1st Set]
1. Piano Solo Medley: Stardust - Makin' Whoopee - Tea for Two - Moonlight in Vermont
2. Don't Explain (Billie Holiday/Arthur Herzog Jr.)
3. Ert (David Arthur Skinner)
4. Imagination (Jimmy Van Heusen - Johnny Burke)
5. Straight No Chaser (Thelonious Monk)

[2nd Set]
1. Just You, Just Me*(Jesse Greer - Raymond Klages)
2. On The Sunny Side of The Street (Jimmy McHugh - Dorothy Fields) p-solo
3. Makin' Whoopee (Walter Donaldson - Gus Kahn) p-solo
4. I Should Care (Axel Stordahl/Paul Weston - Sammy Cahn)
5. Almost Like Being in Love (Jerome Kern - Oscar Hammerstein II)
6. Autumn Leaves (Joseph Kosma -Jacques Prevert)
7. After You've Gone (Turner Layton - Henry Creamer)
8. Don't Get Around Much Anymore (Duke Ellington - Bob Russell)

安井さち子 ピアノソロ・イン・NHK文化センター [ライブ・レポート]

yasui.jpg
 高木信哉先生の毎月のジャズ講座東京ジャズ」の今回のテーマはキース・ジャレット。名盤「ケルン」や今年多分最後と思われる来日のスタンダード・トリオ、ソロ活動など人気絶大ですが、その代表作を沢山聴きました。アルバムでいうと、"The Koln Concert"(ECM), "Somewhere Before"(Vortex), "My Song"(ECM), "Standards Vol.1"(ECM)など代表作を網羅した感じですね。しかし当日はダイヤトーンのNHK仕様のメイン・スピーカーが接触不良のため使えず、急遽リアに設置したソニー製のスピーカーを鳴らしたため、かなり違和感がありました。残念。
 さて、今日のプレイヤー・ゲストはピアノの安井さち子さん。私も"My Will"というアルバムを持っています。生で聴くのは初めてですが、女性らしい柔らかなピアノ・タッチで、きめ細やかな響きです。テクニックはさすがにバークリーの特待生だけのことはあります。1曲目は高木先生からのリクエストで、講座の方でも聴いた、"My Song"に収録されている名曲"Country"。ゆったりした感じで、広い草原を思わせるような牧歌的なイメージです。2曲目からは有名なスタンダード曲が並びます。4曲目は彼女の最新作"NANA"に収録されているオリジナル曲"Let's Talk About Good Old Days"。最後はHancockのオリジナル"Tell Me a Bedside Story"。2枚目のアルバム"My Will"に収録されている曲。やさしいメロディを持つ曲で、安井さんにぴったりという感じがする。音も綺麗で、スローバラードやミディアムテンポの曲がちょうど良さそうな感じがする。癒やしのピアニストですね。是非聴いてみてください。
 なお、東京ジャズ講座は今受講生を募集中です。また、横浜ランドマークタワー教室でも、新たに横浜ジャズ講座が始まります。第1回目は10月27日です。多分台風は通過した後になりますので、是非のぞいてみてください。筆者もスタッフとして参加いたします。

安井さち子 (p)
Live at NHK文化センター青山教室オーディオルーム, October 13, 2013
1. Country (Keith Jarrett)
2. Stella by Starlight (Victor Young - Ned Washington)
3. All The Things You Are (Jerome Kern - Oscar Hammerstein II)
4. My Foolish Heart (Victor Young - Ned Washington)
5. Let's Talk About Good Old Days (Sachiko Yasui)
6. Tell Me a Bedside Story (Herbie Hancock)



横濱ジャズプロムナード見聞録 その3 中村誠一&Jazz Crew [ライブ・レポート]

img111.jpg
 関内大ホールの余韻に浸りながら、会場を後にしました。入り口の無料ライブは日大文理学部モダンジャズ研究会に変わっています。次のステージまで少し時間があるので、すぐそばにあるDiskUnion馬車道店へCDを漁りに行きました。というのも、関内大ホールでのライブは、ほかの会場と違って1時間半もあり、20分もすると他会場のライブが始まってしまい、下手をすると座れないということにもなります。KANKAWAさんのオルガンでも聴きに行こうかとも思いましたが、移動だけで15分くらいかかる上に、ライブ会場の赤レンガ倉庫では恒例のドイツビール祭りが開かれており、ごった返していることが予想されたのであきらめました(去年も大変苦労しました)。
 こんな訳でUnionに行って5枚ほど物色(20%オフでした)し、レジに行ったところ、7階で特別セールを行っていて、そこで1枚でも購入頂くと、なんと今購入しようとしたCDが更に1枚100円引になるということで、とりあえず7階に。広い会場にジャズやクラシックロックなど沢山あります。とても全部見る元気はなかったのですが、なんと私の大好きなイギリスのZephyrレーベルの大群を発見。ZephyrはイギリスのSwingや中間派中心のレーベルで、Warren Vache、Brian Lemon、Dave Cliff、Alan Barnes、Tony Coeなどの作品をリリースしていますが、日本ではなかなか手に入りにくいレーベルです。それがなんと20枚くらい纏まってあるではありませんか。手持ちのものを除いて12枚も買ってしまいました。金額も9千円あまり。大満足。
 すいません、前置きが長くなりました。本題に戻りましょう。DiskUnionでかなり時間を取られたので、あわてて県庁前の開港記念会館へ。1階はほぼ一杯だったので、2階へ。2階もかなり混んでいましたが、なんとか正面のPA卓のすぐ横に席を確保しました。少し遅れたら危なかったですね。
 ほぼ定刻にクァルテットが登場。簡単なメンバー紹介の後、Horace Silver作の"Split Kick"。有名なArt Blakey Quintet at Birdlandに収録されている曲です。豪快な中村のソロに続いて吉岡の力強いソロ。重厚なスイング感に痺れます。次はColtrane作の"Big Nick"。Duke Ellingtonとの競演盤 (Impulseレーベル)に収録されている綺麗なメロディの曲です。ソプラノに持ち替えて、少しホンキートンクな雰囲気を出しています。次は大スタンダードの"Body and Soul"。ストレートに吹くのではなく、太い中村節になっている。朗々と吹く中村のテナーが聞き物。それに続く吉岡のソロも、中村に劣らず曲を盛り上げる。続いてシャンソンの名曲"C'est si Bon"。サッチモが唄って有名になりました。その後イヴ・モンタンのものも有名です。私見では中村のテナーには余り合っていない曲だと思います。中村のテナーは太く豪快。"C'est si Bon"はどちらかというと軽いラブソング。サックスでも少し抜けるような吹き方のミュージシャンが会っているように思います。しかし、Dennis Frehseのブラシによるドラムソロは軽快でかつメリハリが効いて良かった。最後はコメントなしに始まったので曲名は解りませんが、派手な長いドラムソロの後、なんか聴いたことのあるメロディが...。しかし思い出せません。ファンキーなブルースです。しかし、中村のソプラノソロが圧巻。最後は大盛り上がりです。ジャズプロムナードの運営上、アンコールはなしですからやむを得ませんが、もうちょっと聴きたいと思わせる大満足のライブでした。
 終わってからランドマークホールへ行って宮之上貴昭のギターを聴こうかなと思ったのですが、なにせ先ほど買ってしまったCDが沢山あり、重い上に歩き疲れたので、そのまま帰宅。お疲れ様でした。
 中村のデビューアルバムが再発されています。山下洋輔グループから脱退して、ストレートなジャズに戻った1973年の録音です。一聴の価値があります。

中村誠一 (ts, ss*), 吉岡秀晃 (p), 沼上励 (b), Dennis Frehse (dr)
Live at 横浜市開港記念会館, October 12, 2013
1. Split Kick (Horace Sliver)
2. Big Nick*(John Coltrane)
3. Body and Soul (Johnny Green - Edward Heyman/Robert Sour/Frank Eyton)
4. C'est si Bon (Henri Betti - Andre Hornez)
5. Title Unknown*



横濱ジャズプロムナード見聞録 その2 JATP Swing [ライブ・レポート]

img111.jpg
 ランドマークプラザを後にして、関内ホールに移動。かなり暑かったのですが、電車で行くとまた少し戻らなければならないしと思って、てくてく歩いて移動。会場の関内ホール前では拓大ジャズ研が演奏していましたが、まずは腹ごしらえと海鮮丼を食して早めに会場へ。
 余裕を持って入場したせいか、開演30分くらい前で6分くらいの入り。早めに来て正解で、中央やや前寄りの見やすい席を確保。オーディエンスの平均年齢は高そうです。毎年思いますが、だんだん高年齢化しているように感じます。熟年のご夫婦が多く、若いカップルが減っていますね。実行委員会もなんか考えなくては行けないのかな。
 定刻近くなると客席はほぼ満員。遅れてきた人が、席を探していますね。やっぱりベテランは人気があります。
 さて、ステージが始まりました。MCは初めは五十嵐さんがしゃべっていましたが、すぐに原田さんに交代。まずはメンバーの紹介も兼ねて全員がソロを取る"Perdido"。片岡雄三さんの艶やかなソロが素晴らしい。また猪俣さんの派手なドラムソロも健在です。2曲目以降はピックアップメンバーで演奏します。最初はtpの二人とピアノトリオで、"I'll Remember April"。目立っていたのは岡野さんのハイノートと猪俣さんのドラミング。猪俣さんはなんと77才。元気一杯です。その後は、曲ごとにメンバーが入れ替わり、ピアノソロあり、ピアノとのデュエットありで、いろいろな曲を演奏。エンディング近くの"Cute"はなんと3sax+2drという編成。余り聴いたことがない編成です。saxのメロディの後、2人のドラマーによるソロが炸裂。なんと猪俣さんは手でスネアを叩いています。迫力ありますね。"It Don't Mean a Thing"を挟んで、最後は定番の「A列車で行こう」。ソロ・オーダーは、右近-片岡-田辺-岡野-五十嵐-杉村-原田-岸-稲葉-猪俣/八城の順。楽しく聴くことができました。それにしても皆さんお若い。これからもいい演奏を聴かせてください。

杉村彰, 岡野等 (tp), 片岡雄三 (tb), 五十嵐明要 (as), 田辺信男 (ts), 右近茂 (ts, cl), 原田忠幸 (bars), 岸ミツアキ (p), 稲葉国光 (b), 猪俣猛 (dr), Guest=八城邦義 (dr)
Live at The 関内大ホール, Yokohama, October 12, 2013
1. Perdido (Juan Tizol - Ervin Drake/Hans Lengsfelder) 全員
2. I'll Remember April (Gene de Paul - Patricia Johnston/Don Raye) 杉村+岡野+岸+稲葉+猪俣
3. On The Sunny Side of The Street (Jimmy McHugh - Dorothy Fields) 岸+稲葉+猪俣
4. Body and Soul (Johnny Green - Edward Heyman/Robert Sour/Frank Eyton) 杉村+岸+稲葉+猪俣
5. In a Sentimental Mood (Duke Ellington - Manny Kurtz) 田辺+岸+稲葉+猪俣
6. Stardust (Hoagy Carmichael - Mitchell Parish) 片岡+岸+稲葉+猪俣
7. Someone to Watch Over Me (George & Ira Gershwin) 原田+岸+稲葉+猪俣
8. Autumn Leaves (Joseph Kosma - Jacques Prevert) 原田+片岡+稲葉+猪俣
9. Broadway (Billy Byrd/Teddy McRae/Henri Woode) 五十嵐+田辺+右近+原田+岸+稲葉+猪俣
10. Early Autumn (Woody Herman/Ralph Burns - Johnny Mercer) 岸
11. Over The Rainbow (Harold Arlen -Edgar Yip Harburg) 岡野+岸
12. Memories of You (Eubie Blake - Andy Razaf) 右近 (cl)+岸
13. Left Alone (Mal Waldron - Billie Holiday) 五十嵐+岸
14. Cute (Neal Hefti - Stanley Stein) 五十嵐+右近+原田+猪俣+八城
15. It Don't Mean a Thing (Duke Ellington - Irving Mills) 杉村+岡野+片岡+右近+岸+稲葉+猪俣+八城
16. Take The "A" Train (Billy Strayhorn) 全員+八城

横濱ジャズプロムナード見聞録 その1 八木隆幸トリオ [ライブ・レポート]

img111.jpg
 毎年恒例の横濱ジャズプロムナードに今年も行ってきました。10月にしてはとても暑い日で、会場間を移動するだけで汗だく。大変な日でしたね。朝10時半に桜木町駅に到着し、まずチケットを缶バッジに交換。これが入場パスになります。最初は、ランドマークプラザで行われた八木隆幸トリオ。以前に、毎月参加している高木信哉先生の東京ジャズ講座(NHK文化センター青山教室)のゲストとして来て頂き、そのときに、当時の最新作"Illumination"を購入して非常に気に入り、最新作も続けて購入しています。
 会場に着いてびっくり。この会場は無料ということかも知れませんが、開演までかなりの時間があるのに、40席くらいしかない椅子席は満杯。残るは立って見る(聴く?)か、ステージ左右の階段に座るかしかなく、やむを得ず階段に。ステージを真横から見る形になるので、非常に見にくいと同時に音が余り良くない。行ったときにはトリオでサウンドチェックをしており、生音も聞こえますが、大部分はPA経由の音。ほかに座るところもないので、友人と二人でじっと待つこと約45分。ステージ両側の階段は満席+立ち見も一杯という状態。人気がありますね。やっとトリオが登場しました。ジャズプロムナードの公式ガイドブックには、「とても解りやすいジャズを聴かせて初心者にはお勧め」と記載されていますが、俗に言うスタンダードは全く演奏せず、ジャズマンの作曲した曲と八木さんのオリジナルのみ。初心者の方には聞いたことのないメロディばかりということになっています。Lee Morgan作の"Speedball"("The Gigolo"に収録)や最新作にも収録されているRonnie Mathews作の"Jean Marie"、八木さんの最近のオリジナルなどを演奏。
 八木さんの素晴らしいところは、圧倒的なスピード感とハードなバッキングプラス華麗なメロディ・ラインとスイング。この八木さんのピアノサポートする金子健さんと高橋徹さん。金子さんは、KBSトリオなどで何回も生で聞いていますが、圧倒的な技術力と本当に艶めかしいという言葉がぴったりの妖艶さ、本当に素晴らしいベーシストです。高橋さんのドラムは、生で聴いたのは初めてですが、メリハリがあり、バスドラの使い方がうまく、がつんと来る力強さがあります。
 終了後に最新作を販売してサインしていましたが、あっという間に売り切れ。こういうCDは余り沢山プレスしていない上に、再プレスは期待できませんから、早めに手に入れておくことをお薦めします。同じメンバーによる"Illumination"はほとんど残っていないようですので、お早めに。ちなみにそれ以前のCDの入手はほとんど期待薄です。

八木隆幸 (p), 金子健 (b), 高橋徹 (dr)
Live at The Landmark Plaza, Yokohama, October 12, 2013



杉山泰史トリオ ライブイン茅ヶ崎 [ライブ・レポート]

P1000340.jpg
 杉山さんは茅ヶ崎ハイハット4回目の登場で、もうおなじみになっています。当日はぐっと秋らしくなってはいるものの、昼間はまだまだ暑い日でした。午後2時くらいから始まったリハーサルでも、エアコンを効かして、まるで夏のようでした。今年の気候は何かおかしいんです。
 今日のメンバーは、杉山さんと「ハイハット」マスターの上地さんは前回と同じですが、ベースは若手の秋吉秀信さん。といっても1979年生まれの34才。近々アメリカへ武者修行に行きたいとのこと。本場で経験を積むのはいいことです。一回りも二回りも大きくなって帰ってきてもらいたいですね。
 1stセットはRodgers=Hartの名曲"Folling Love with Love"からスタート。少しベースが緊張気味。だけどこれは最初だけでした。2曲目の"Corcovado"のソロは、メリハリがあり、かつ、さらっとしていて聞き応え十分。いい仕事してます。3曲目はArt PepperやZoot Simsなどの演奏で知られるスタンダード"Broadway"。軽快な杉山さんのソロが聞き物です。それに続くベース・ソロも乗ってきてます。4曲目はがらっと変わって、スローバラード。しっとりとしたギターを聴かせる杉山さんの真骨頂。セットの最後はミディアム・テンポで、通称"夜千"で締め。選曲が渋い。
 2ndセットはCole Porterの名曲"I Love You"から。ゆったりした曲で、やや抑え気味のギター・ソロ。いい味出しています。2曲目はJobim作の"Someone to Light Up My Life"。岡安芳明さんの最新作"Beautiful Friendship"にも収録されていた曲。綺麗なメロディですね。3曲目は"The Stylings of Silver"に収録されているHorace Silverのオリジナル"No Smokin'"。アップテンポの佳曲。4曲目以降は誰でも知っているスタンダードのオンパレード。"Stardust"は沢山のジャズマンが演奏しているスタンダード中のスタンダード。"Besame Mucho"はArt Pepperが有名ですが、Wesの"Boss Guitar"にも収録されているメキシコの名曲。"Someday My Prince Will Come"はディズニーのアニメ映画「白雪姫」の挿入歌。ギターとベースのデュオでしっとりと仕上げました。最後の"Caravan"はDuke Ellingtonのお気に入り曲で、アフロ・キューバン・ジャズの名曲。
 杉山さんのギターはいつものようにスィンギーで、スローな曲はしっとり聴かせる。メリハリがいいですね。アンプがフェンダー製に変わって、ノイズが減少し非常に聴きやすくなっています。それと技術もそうですが、秋吉さんの笑顔がいいですね。オーディエンスをほっとさせてくれます。ステディな上地さんのドラムを含めて、皆さんありがとうございました。

杉山泰史 (g), 秋吉秀信 (b), 上地尉之 (dr)
Live at The Hi Hat, Chigasaki, October 6, 2013

1st Set
1. Falling Love with Love (Richard Rodgers - Lorenz Hart)
2. Corcovado (Antonio Carlos Jobim)
3. Broadway (Billy Byrd/Teddy McRae/Henri Woode)
4. Polka Dots and Moonbeams (Jimmy Van Heusen - Johnny Burke)
5. The Night Has a Thousand Eyes (Jerry Brainin - Buddy Bernier)

2nd Set
1. I Love You (Cole Porter)
2. Someone to Light Up My Life (Antonio Carlos Jobim - Vinicius de Moraes)
3. No Smokin' (Horace Silver)
4. Stardust (Hoagy Carmichael - Mitchell Parish)
5. Besame Mucho (Consuelo Velazquez)
6. Someday My Prince Will Come (Frank Churchill - Larry Morey) Guitar-Bass Duo
7. Caravan (Juan Tizol - Irving Mills)

福井五十雄=南野陽征 DUO LIVE [ライブ・レポート]

P1000297.jpg 9月の終わりだというのに、昼間はまだまだ暑さが残る日曜日の夕方に、大ベテラン福井五十雄さんと中堅ピアニスト南野陽征さんのデュオライブが行われました。ハイハットのライブでは、福井さんは今年5月以来、南野さんは久しぶりですが、2回目の登場です。
 ライブはParkerのブルースナンバー"Bluebird"からスタート。泥臭くブルージーなピアノソロに粘っこいベースが絡んでいく。正しくBebop。冒頭福井さんが"スタンダードを見繕って"とおっしゃっていましたが、Ray BryantやPhineas Newborn Jr.で知られる"After Hours"や、Carpentersのヒットで知られる"Superstar"など、ジャズという枠を超えてなかなか渋い選曲。途中、ハイハットのマスター上地さんを加えて、トリオによる2曲の後、ラストは"Misty"で締めました。福井さんのベースは、生でもCDでも聞いていますが、相変わらずのブルースフィーリングあふれる演奏。年齢的には大ベテランですが、ハートがものすごく熱い。その熱さがオーディエンスに伝わって来ます。堪えられませんねぇ。南野さんのピアノは、初めこそ緊張気味でしたが、だんだん暖まってくるともう全開。福井さんの熱さに反応し、二人で化学反応し、全く新しい空間を作り上げました。オーディエンスは余り多くはありませんでしたが素晴らしいコラボを堪能できました。
 お二人ともいろいろなライブハウスに出演しています。是非この熱い空間を体感してみてください。

 余談ですが、福井さんの40年近く前にThree Blind Miceに録音したリーダーアルバムが復刻されています。ご本人には一銭も入ってこないそうですが、当時の尖ったセッションが楽しめます。是非聴いてみてください。

南野陽征 (p), 福井五十雄 (b), 上地尉之 (dr)*
Live at The Hi Hat on September 29, 2013

1st Set
1. Bluebird (Charlie Parker)
2. Everything Happens to Me (Matt Dennis - Tom Adair)
3. My One and Only Love (Guy Wood - Robert Mellin)
4. Estate (Bruno Martino - Bruno Brighetti)
5. After Hours (Avery Parrish)
2nd Set
1. I Remember April (Gene de Paul - Patricia Johnston/Don Raye)
2. Nearness of You (Hoagy Carmichael - Ned Washington)
3. Superstar (Leon Russell/Bonnie Bramlett)
4. Autumn Leaves* (Joseph Kosma - Jacques Prevert)
5. Here's That Rainy Day* (Jimmy Van Huesen - Johnny Burke)
6. Misty (Erroll Garner - Johnny Burke)



James K ライブ [ライブ・レポート]

2013-09-14 18.22.22.jpg 3連休の初日、昼下がりのライブです。ミュージシャンはやっぱり夜の仕事が圧倒的に多いと思いますが、ハイハットのライブは、いつも午後4時から。上地マスターのお薦めもあって、全くの予備知識がないままライブを聴きに行きました。
 James Kさんは、毎年12月に開催されている浅草ジャズコンテストの。2009年のヴォーカル部門のウィナー。原信夫を審査委員長に、後藤芳子さんや金丸正城さんが審査員を務める有名なコンテストで、グランプリをもらっていると言うことは、かなりの実力の持ち主ということになります。
 当日はギタートリオをバックに唄って頂きました。この水出勝さんのギターがなかなか良かったんです。一応アンプを使っていましたが、アコースティックギターにマイクを仕込んだもので、ジョー・パスばりの、渋い音を聞かせて頂きました。
 ステージは、Frank Sinatraで有名な、"The Second Time Around"でスタート。圧倒的な声量と、力強くかつ繊細な歌い方で、非常にうまい。男性ヴォーカルというとどちらかというと日陰の存在ですが、是非見直してもらいたいですね。先日も東京ジャズのステージで、Tony Bennettが大スタンディング・オベーションだったと聞いています。男性ヴォーカルも素晴らしい。
 さて、ステージはジャズだけでなく、映画音楽やJ-POPを交えながら進んでいきます。Jamesさんの軽妙なお話も楽しいですね。途中で神戸から参戦した黒いドレスのYumikoさんにバトン・タッチ。Shearingの名曲、"Lullaby of Birdland"から始めて5曲を唄う。声量がある方ではないが、リズミカルでコケティッシュ美人です。その後、Jamesさんに戻って3曲。スロー・バラードの"The Nearness of You"が良かったなぁ。

 セカンドは、トリオによる"Have You Met Miss Jones?"でスタートし、出た!"また会う日まで"。声量があるから押し出しが良く、迫力があります。お客様の飛び入りを挟んで、今度はピンクのドレスでYumikoさんが登場。スローな"My Foolish Heart"はしっとりと、アップテンポの"Bei Mir Bistu Shein (素敵なあなた)"は軽やかにと、なかなか聴き応えがある。最後はJamesさんが締めて終了。

 Jamesさんは非常にうまく、表現力、押し出し、声量とも素晴らしい。しかし、ハイハットのような小さな場所よりはホテルのラウンジや大きめのライブハウスとかの方が本領を発揮できるような気がします。しかし、私の知る限り、日本の男性ヴォーカルのCDリリースはほとんどありません。女性ばっかりです。こんな逆風の中ですが、是非頑張って欲しいものです。

James K, Yumiko*(vcl), 水出勝 (g), 光田将也 (b), 上地尉之 (dr)
Live at The Hi Hat, Chigasaki, September 14, 2013

[1st Set]
1. The Second Time Around (Jimmy Van Heusen - Sammy Cahn)
2. Feelings (Gaste Louis Felix Pierre Marie - Albert Morris)
3. You've Got a Friend (Carole King)
4. 13 Jours en France (Francis Lai - 永田文男)
5. Lullaby of Birdland (George Shearing - Weiss George David)*
6. Just in Time (Jule Styne - Betty Comden/Adolph Green)*
7. I've Got You Under My Skin (Cole Porter)*
8. ウイスキーが、お好きでしょ (杉真理 - 田口俊)*
9. Autumn Leaves (Joseph Kosma - Johnny Mercer)*
10. Yesterday (John Lennon/Paul McCartney)
11. The Nearness of You (Hoagy Carmichael - Ned Washington)
12. I Left My Heart in San Francisco (George Cory/Douglass Cross)

[2nd Set]
1. Have You Met Miss Jones? (Richard Rodgers - Lorenz Hart) -Trio
2. また会う日まで (筒美京平 - 阿久悠, Norman Simon)
3. A Song for You (Leon Russell)
4. Body and Soul (John Green - Robert Sour/Edward Heyman/Frank Eyton)
5. A Time for Us (Nino Rota)
6. In a Mellow Tone (Duke Ellington - Milt Gabler)-Trio
7. The Nearness of You (Hoagy Carmichael - Ned Washington) -京塚まさあきさん (vcl)
8. On a Clear Day (Burton Lane - Alan Jay Lerner)*
9. No Moon at All (David Mann - Redd Evans)*
10. Mahna de Carnaval (Louis Bonfa - Antonio Maria)*
11. My Foolish Heart (Victor Young - Ned Washington)*
12. Bei Mir Bistu Shein (Sholom Secunda - Sammy Cahn)*
13. Dream (Johnny Mercer)

山本剛トリオ: Midnight Sugar (LP: Three Blind Mice TBM-23 CD: THCD-264) [CDレヴュー]

T00003412.jpg TBMの諸作品が続々と復刻されていて、それも高音質のBlu-Specで発売されている。うれしい限りで、LPで何枚かは持っていますが、CDで聴くことができないものも多く、非常に助かっています。

 その中から多分一番人気の山本剛のCDを聴いています。山本剛のものは、当CD以外にも、"Misty"、"Girl Talk"、"Live at Misty"など沢山ありますが、やはりスロー・バラードが中心のこのCDが一番かな。これがデビュー作で、録音時なんと25才。福井さんは28才、小原さんは35才。みんな若かったんです。福井さんのベース・リードで始まり、そこに山本の少しけだるいようなピアノが絡んでくるタイトル曲、山本のリリカルなピアノが聞き物の"I'm a Fool to Want You"、名曲"Sweet Georgia Brown"をアレンジしたアップテンポの"Sweet Georgia Blues"と聞き所が沢山あります。少し涼しくなりましたから、楽なソファに座って、ビールを飲みながらゆったりと聴く。堪えられませんねぇ。  ベースの福井さんが言っていました。「剛は決してうまくないけど、ハートで弾くピアニスト」。うん、わかるような気がします。昔、多分この作品がリリースされたすぐ後くらいだと思いますが、今はなき銀座のサテン・ドールへ山本剛トリオを聴きに行ったことがあります。決して安くない店だったのですが、ぎりぎりに行くと入れなかったりしました。当時も人気絶大でした。福井さん曰く、「1年に400回以上のライブをこなしていた」。えっ、1日1回以上!?。すざましいスケジュールですね。今も連日ライブをこなしています。横濱ジャズ・プロムナードでまた聴きに行きますね。

山本剛トリオ: 山本剛 (p), 福井五十雄 (b), 小原哲次郎 (dr)
Recorded at Aoi Studio, Tokyo on March 1, 1974

1. Midnight Sugar
2. I'm a Fool to Want You
3. The Nearness of You
4. It Could Happened to You
5. Sweet Georgia Blues



前の20件 | -

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。

×

この広告は1年以上新しい記事の更新がないブログに表示されております。